本番前におすすめな【緊張のほぐしかた】

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10人程度の試演会から100人程度の発表会、はたまた審査員がいて結果も出るコンクール。楽器をやっていると、様々な本番を経験することが多いです。

人前で演奏をするという緊張はもちろん、失敗することへの恐怖、逆に成功した後のことを考えてしまう雑念まで、もろもろあるかと思います。

大人になっていくにつれて、集中力を自分でコントロールし、高めていくことはある程度できるようになってきますが、それまではなかなか辛いです。

私の経験では、小・中学生のあたりが一番大変でした。

なので今回は、私がこれまでの本番で実際にやっていた『緊張のほぐし方』を、紹介します。

どれも、暗くて静かな舞台裏であっても、誰にも迷惑をかけずにできるものです。

1:全身に全力で力を入れて、一気に抜く

緊張が体に及ぼす厄介な作用として、『力の入りすぎ』が挙げられます。

身体がガチガチの状態では、歌心のある、のびのびとした演奏をするのは困難です。思いもしない、普段ではあり得ないようなミスさえ引き起こしてしまいかねません。

この『力の入りすぎた身体』を解消するのが、この全身を一瞬でリラックス状態にするやり方です。

上手にかつ十分に息を吸うには、まず今肺にある息を根こそぎ吐ききってしまわないといけません。そうすることで、新鮮な空気を一番多く吸うことができます。

それと同じように、身体の力を抜きたいなら、まず極限まで力を入れます。

指先から足先まで、力を最大限に行き渡らせ、そして一気に脱力します。

こうすることで、身体の余分な力がすっかり抜けて、リラックスした状態でステージへ臨むことができます。

2:1から120まで高速で数える

ある程度の小声なら出せる、という状況なら、なるべく声に出した方がいいです。

このやり方の何よりの利点は、『余計なことを考えずに済む』ということです。

曲のあそこの箇所が心配だとか、これが終わったら美味しいものが食べられるだとか(実際にそんなことを考えてしまっていた時期もありました。)そういうことが一切頭に浮かぶ余地がなくなります。

舞台袖での待機というのは、いわばまな板の上の鯛。わるあがきであれこれ考えを巡らせたところで、あまりいいことはありません。

とにかくまっすぐ集中して本番へ向かっていけるので、かなりおすすめな手法です。

3:目ヂカラを入れる

(個人的にですが)特に効果的なのが、鏡の前でカッと目を見開いて、自分を鼓舞するやり方です。

ですが、舞台袖や楽屋に鏡があるとも限りません。もし鏡があっても、人目が気になりますよね。鏡が手元になくても、両目を意識して見開くだけで、十分に効果があります。

リラックスも大事ですが、特に音符の込み入った曲を演奏するには、日本刀のように鋭い集中力が必要とされます。

『何が起きても、最後まで鍵盤に食らいついて演奏しきる。』という気迫が求められます。これを成し遂げるに当たって、集中力と直結しているのが、この目ヂカラです。

失敗談

当時の私は、この本番の緊張と対等に渡り合うにはどうしたものかと、及ばないながらにあれこれ考えていました。(本来なら、人前に出るに見合う練習がともなっていれば、それで良いのですが、あまり一生懸命に練習しない子だったので。)

そして一度やってみた方法が、『演奏の直前ギリギリまで本番のことを考えていなければ、緊張する時間は0になるのではないか』という試みです。

会場につこうが、リハーサルが始まろうが、自分より1人前の人の演奏が始まろうが、なるべくお気楽でいることを試してみました。

この結果はもちろん失敗。

特に大きなミスをしたような、そういうことはなかったのですが、なんだか骨のない演奏になってしまいました。自分でもやりきったという気分になれないような、そんな腑抜けた演奏です。

そして、本番は集中してこそだと思い知りました。

本番におけるリラックスという言葉を履き違えた結果がこれです。

まとめ

自分の中で、集中力を極限まで高める。これが、緊張をほぐす、もとい緊張に立ち向かう一番の方法だと思っています。

曲がソロであってもアンサンブルであっても、ゆっくりでも速くても、本番で一番必要なのは『集中』です。

そして、場数をこなし、経験を積むうちに、外の人間から見たらそこに『リラックス』がともなってくるのかもしれません。

この緊張との戦いは、そのたび自分を大きく成長させてくれる、貴重な機会です。

大変でも、逃げることなく戦い続けていくうちに、今よりも素晴らしい自分と出会えます。

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