練習ってイライラするもの?鍵盤をかじった(物理)話

幼少期、特にひどかった練習のイライラ。

 

何かとキレやすい性格だった小さい頃の私ですが、エレクトーンの練習をしているときの怒りっぷりと言ったら、それはもうすごいものでした。

 

幼稚園の頃からヤマハに通ってレッスンを受けていたのですが、特に練習でひどくイライラしがちだったのは、幼稚園〜小学校低学年のあたりですね。

 

それはもう思ったように弾けない、指が動かないもどかしさ。そして悔しさ

 

部屋にあるもの、ぬいぐるみや、毛布に描かれたキャラクター全てが自分を見下してくるような感覚にさえ陥ってしまうほど。

 

そんなお年頃、親からよく言われたのが、

 

『鍵盤叩かない!』

 

というセリフです。何百回聞いたことか。

 

練習で弾けないイライラがちょっとでもつのると、すぐに鍵盤をバンバンひっぱたくクセがついてしまっていたのです。これはいただけない。

 

楽器への愛情とか、感謝とかが、まだ芽生えていなかったのでしょう。(あとは根本的な理性の問題…。)

 

そんなある日、鍵盤をかじる(物理)事件が発生します。

 

  鍵盤をかじる事件

よく、楽器を少々経験済みというニュアンスで使用される『鍵盤をかじる』ですが、この日私がやってしまったのは、本当にかじる方。

 

まだエレクトーンの本体カラーが黒い時代。

 

かじってしまったのは多分、EL900だったような気がします。

 

その日、イライラがピークに達した幼い私は、上鍵盤1オクターブ上の『ド』あたりの白鍵を、思いっきり噛みました。

 

すると!思いっきり縦線が鍵盤に…

噛んだ自分もまさか跡が残るとは思ってもいなかったので、後ろめたさ、噛んでしまった後悔を感じました。

 

親は、かじり傷のついた鍵盤を見ると、悲しそうにしていました。(ごもっとも)

 

ちょうど練習イライラ期から、ある程度黙って練習する期への変遷が、この事件のあたりだったかと思います。

  練習イライラの正体

ある程度理性がしっかりした年齢になってから楽器をやれば、そんなにイライラせずに練習ができるのかもしれません。しかし、まだ野生が丸出しの幼少期には、『練習』ってちょっと酷なものかもしれません。

 

少しずつ、背伸びをさせられているような。

 

1つ、できるようになったと思ったら、また次のできないことを1つ投げられる。この繰り返し。できないことに立ち向かうのって、それ相応のエネルギーを要します。

 

成長痛と少し似ている部分があると思います。

 

大きくなるために、痛みを伴う、といったような。

 

ちょっとムリしないと、成長ってなかなかできないと思います。この『ちょっと』が難しい。

鍵盤もムリをやりすぎると、怪我をしますので。

 

ちょっとの背伸びが必要。でもその背伸びが苦しくてたまらない。

 

それが、小さい頃私が感じていた『練習のイライラ』です。

  練習イライラを乗り越えよう

では、どうしてイライラ期を乗り越えられたのか、考えてみると…

 

やはり『できること』の範囲が増えていったからでしょうか。(あとは根本的な理性の部分がほんのわずかに成長した…?)

 

初見演奏(その場で初めて見た楽譜を即時演奏する、というもの)を初めてやらされたときは、『こんなのできるわけない!』『なんてムチャなことを言うのだ!』と憤りさえ感じたものですが、慣れというのは恐ろしいもので、数をこなしていくうちに、ある程度の難易度のものは、もう何とも思わずこなせるようになっていました。

 

『調』への慣れもそうです。

 

初めはなかなかハ長調という安全地帯から抜け出せない。

 

#3つの調(イ長調とか)なんてまっぴら!

 

…と、そんな感覚でしたが、今や一番好きな調がC#、嬰ハ長調です。(#7つの調。むしろ全部シャープ。)シャープ系の黒鍵多めが大好物になりました。あの輝き感がたまらない。

 

怒り狂いながらも、何とか数をこなすうちに、すべてのものに『慣れ』がやってきます。

 

今やエレクトーンの本体カラーは銀色。私の愛機01Cは、幸いなことに、どの鍵盤もまだまだキレイです。

 

大人は、持ち前の理性でもって、『できないこと』を少しずつ切り崩していければそれでいいと思います。

 

でも、気持ちのコントロールが難しい小さい子には、『できないこと』って本当につらい。もちろん(私のように)性格による部分も多いとは思いますが。

 

できなくて、練習でイライラしてしまっている子がもし身近にいたら、その子の『できること』で、少し息抜きをさせてあげて欲しいです。

 

『できること』をやるのは、ストレスがなくて楽しいもの。

 

すごーくカンタンな曲に一旦戻ってみるとか。豪華な伴奏をつけて、上手になった気分にしてあげるとか。

 

『できること』ばかりやっていても上手くはなりませんが、『できないこと』であたり一面覆い尽くされてしまうと、息が詰まります。

 

『できないこと』でイライラしたら、たまには『できること』で楽しく。

 

2つをバランスよくやっていけたら良いですね。

 

もうこの世に鍵盤をかじられるエレクトーンが出ませんように!

 

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