年齢・世代を問わず、老若男女がよく知るメロディー、それは童謡でしょう。
童謡が嫌いだ、という人はあまり聞いたことがありません。
万人が知っていて、しかも好まれるということに加え、民謡であるがゆえ著作権を心配する必要もないため、小洒落たアレンジ曲などによく用いられます。
『赤とんぼ』や、『ふるさと』が日本の童謡だということは、一目瞭然ですね。メロディーも歌詞も、どことなく『日本ぽいな』と感じる部分があります。
では、世界の童謡はどうでしょう。
なんとなく、外国産の歌だろうな、と予想はつくものの、その出どころである国は意外と知らなかったりします。
今回は、世界の(海外の)童謡の中でも、特に有名と思われるものが、どこの国発祥なのかを、いくつか紹介していきます。
※調べてみて、イメージ通りの国であったか、そうでなかったかは、あくまで私個人の印象です。
イメージ通りの国だった童謡
『かえるの合唱』ドイツ民謡
諸説あるようですが、ドイツ民謡と表記してあるところが多かったです。カノン(メロディーが追いかけっこする)の演奏法でおなじみ。
『権兵衛さんの赤ちゃん』アメリカ民謡
『リパブリック賛歌』というアメリカ民謡をもとにして日本語で作詞されたのが、『権兵衛さんの赤ちゃん』ということだそうです。CMソングでもおなじみ。
『線路は続くよどこまでも』アメリカ民謡
英語で歌っているイメージがすぐに湧く、いかにもアメリカの歌です。一番有名なのはAメロの部分ですが、そのあとに続くメロディーも素敵なので好きです。
『螢の光』スコットランド民謡
年越し・卒業式・スーパーなどの閉店放送といえばこの曲。スコットランドはイギリスの中のいち地域ですが、こと音楽に関しては『イギリス民謡』ではなく、『スコットランド民謡』であったり、『アイルランド民謡』のように独立して表記されていることが多いように感じます。それだけ、同じ国の中でも全く別の文化なのでしょうか。
『メリーさんのひつじ』アメリカ民謡
この曲のメロディーは、もともと私も好きだったのですが、どうやらこの歌詞にある出来事(メリーさんのペットの羊が、学校についてきて、ずっとあとをついてくる。かわいいね。という歌詞。)は、実話だったみたいです。ちょっとほっこりしました。
『森のくまさん』アメリカ民謡
なんと元の歌詞には、貝殻のイヤリングは影も形も出てこないみたいです。こちらもカノンで掛け合いながら歌うのがおなじみです。
『やまのおんがくか』ドイツ民謡
ドイツでは、『Ⅰ度・Ⅴ度』の行ったり来たりが好まれる傾向がある、というのを、ちらっと音楽番組で観たことがあります。このメロディーなんかは、まさにその『Ⅰ・Ⅴ』で構成されています。
意外な国だった童謡
『アルプスいちまんじゃく』アメリカ民謡
言われてみれば、メロディーはたしかにアメリカ寄りです。しかし、なにせ『アルプス山脈』はヨーロッパのものですから、なんとなくヨーロッパ産かと思っているふしがありました。ところがこの歌詞は日本産のもので、この『アルプス』というのも『日本アルプス』のことだそうです。知らなかった。
『おゝまきばはみどり』チェコ民謡
チェコっぽいメロディーというものが、全くイメージできていなかったという意味で、意外でした。そもそも国のイメージがぼやっとしていたにもかかわらず、童謡だけはこんなに身近に感じられるというのは、やはり不思議な感覚です。
『クラリネットこわしちゃった』フランス曲
鍵盤楽器で、このキーが鳴らなくなった・鳴りにくい、というのは実際に経験していますが、管楽器でも同じなのでしょうか。もしかしたらこの歌詞の『ぼく』は、クラリネットをとっても大事にしていた、ということなので、楽器を吹き潰すほどの、そうとうな練習量をこなしていたに違いありません。
『ぶんぶんぶん』ボヘミア民謡
メロディーはボヘミア(現在のチェコの西のほう)。歌詞はドイツ。ということみたいです。ボヘミアという言葉はよく聞くものの、それがどういった地域なのかは知りませんでした。それがまたもやチェコだったとは。
まとめ
日本語の慣れ親しんだ歌詞と、原語の歌詞が全く違う曲。
民謡だと思っていたら、まだまだ著作権が生きていた曲。
世界各国を渡って、ころころ形を変えつつも日本に入ってきた曲。
意外と歌詞が下世話な曲…。
少し調べただけで、意外なことがたくさんわかってきました。
せっかく音楽をやっているのですから、知っている童謡・民謡を入り口に、世界の国々に興味を向けていくのも、よいと思います。
参考にさせていただいたサイト:
『Uta-Net』https://www.uta-net.com/artist/4002/
『世界の民謡・童謡』http://www.worldfolksong.com/index.html
『原語で歌う海外曲』http://www.geocities.jp/ezokashi/index2.html