あたらしい機種がリリースされるたび、取っ替え引っ替えを余儀なくされてきたエレクトーンも、STAGEAシリーズになってからというもの、だいぶバージョンアップが落ち着きました。
2014年にELS-01からELS-02への変更があったくらいで、大幅な変更は今のところありません。
その01から02への移行も、ひと昔前のように本体丸ごと買い替える必要はなく、既にある本体(01)へ、新しい部品(02)をごっそり取り付けるアップグレード(お値段 ¥240,000-)のみでできるようになっています。
とかくエレクトーンは長い長いお付き合いの楽器です。
物心つくかつかないかの年齢からずっとエレクトーンと関わってきた私ですが、今回は『エレクトーンを長年使っていると、実際にこんな故障が起きました』という、使用者にしかわからない部分をご紹介します。
電子ピアノや簡単なキーボードならば、長年の使用によって『鍵盤がガタついてきた』や、『ところどころ出ない音がある』など、故障する箇所は予想がつきやすいです。
ところが、今やエレクトーンにはタッチパネルがあり、鍵盤楽器としての一通りの機能はもちろんのこと、インターネット環境にも対応しています。
結論から言うと、そんなエレクトーンですが、かなり頑丈にできています。ハードな使い方をしても、あまりガタがくることはない、という印象です。
故障その1:エクスプレッションペダルが取れた
<ELS-01C(レッスン室のもの)、DDK9(私物)>
これはもうよくある故障です。
今でもたまに取れます。
初めてこの故障に遭遇した際は、あまりに根元から『ごっそり』外れたので、『壊れた!』というインパクトがものすごくてびっくりしました。裏のカラフルな配線まで丸見えになります。
しかし、心配は無用です。プラスドライバー1本あれば、簡単に付け直すことができます。
エレクトーンには足鍵盤があり、その奥にペダルが2つ付いています。(中には1つのみのモデルもあります。)
右が『エクスプレッションペダル』で、左が『セカンドエクスプレッションペダル』です。
『エクスプレッションペダル』は、主に音量のコントロールと、音色を変えるスイッチとして使います。ここは、とにかくよく動かす部分です。エレクトーンのパーツの中で、鍵盤の次に動かしてるパーツに間違いありません。
人にもよりますが、ここが右足のホームポジション、とりあえず置いておく場所だったりします。
ご存知の通り、電子オルガンは両手と左足(たまに両足)で鍵盤を演奏します。
なので、椅子に腰掛けている分以外の体重・衝撃は、この右足に全部かかります。
それに加え、絶え間ない音量調節とスイッチングにさらされるというわけです。
よくある故障、と言いましたが、そんなに日常茶飯事ではありません。ガンガン使っていて3年目くらいで初めて外れました。
そこからは、やはり一度取れてしまうと、その後は多少外れやすくなってしまうみたいで、半年に1~2度くらい外れます。
本番など、大事な場面の直前には、ぜひここのネジをきつく締め直しておきたいものです。演奏途中でエクスプレッションが吹っ飛ぶと、その後の演奏が絶望にさらされてしまいますから。
故障その2:タッチパネルが反応しなくなった
<ELS-01C(私物)>
これはさすがに自力でどうすることもできず、業者の方に頼んで直してもらいました。
電源をつけて、メイン画面が表示された後、アナログのボタンは押せるものの、タッチパネルのどこを触っても一切反応しなくなってしまいました。
これでは、選べる音色に縛りがあり過ぎます。
音の中身の調整、外部メモリ(USBなど)からの読み込み、使いたい機能の選択。とにかくタッチパネルが使えなくなると、なんの操作もできなくなるので、もはやまともなエレクトーンではなくなってしまいます。
どういう修理だったかというと、完全にタッチパネルをごっそり取り替えました。
自分のエレクトーンが鍵盤もろともひっくり返されて、中身をむき出しにしている様子が物珍しくて、しばらくは近くで修理を眺めていたのですが、そのうちなんだかいたたまれなくなって(なんだか手術室での施術を見ている気分になってしまって)別室にすごすご逃げたのをよく覚えています。
これに関しては、特にこれといった原因があるわけではない、ということでした。
家電やパソコンにも突然致命的な不具合がでるように、機械的な一面の強いステージアにも、そういった突発的で防ぎようのない不具合が出てしまうことがあるそうです。
故障その3:タッチパネルがずれて反応するようになった
<ELS-01C(私物)>
これも業者の方に修理を頼んで、家まで直しに来てもらいました。
『タッチした位置(意図する地点)』と『実際に反応する位置』が違う、という故障です。私の場合、タッチ位置よりも指一本分左の地点が反応する、という症状でした。
しばらくはなんとかごまかしながら使っていたのですが、これにより選択できない項目がいくつかあったので、ほどなく修理を余儀なくされました。
原因としては、毎回のタッチする位置がちょっとずつズレていて、それがちょっとずつ作用してしまった、というものでした。
実際に修理のシーンを見ていたのですが、どうやら隠しコマンドのようなもので、『タッチパネル調整』のメニューを呼び出していました。
DSのタッチスクリーン調整の画面と同じような画面で、四隅のターゲットをタッチして調整するものです。
エレクトーンに限らず、私はスマホでも同じ故障(タップした位置と反応する位置がズレる。スマホでは上下のズレが発生。)を起こしているので、よっぽど変なタッチをしているのでしょうか。
まとめ
友人から聞いた話では、ステージアで『足鍵盤が折れた』というものもあります。よほど鬼気迫る演奏をしていたに違いありませんね。
自身の経験を思い返すと、物理的な損傷は本当に少ないです。頑丈にできています。
バラして持ち運ぶのが売りのDDK(ディーディック)も、かなりハードに使っていますが、今のところ元気です。
やはりネックになってくるのが、タッチパネルの故障です。こればっかりはネジを締め直してどうこうなるようなものではないので、速やかに修理をお願いすることをお勧めします。