ハ音記号とは
オーケストラのスコア譜などに登場する、音部記号の一種です。ト音記号とかヘ音記号の仲間です。ハ音記号を使用する楽器で代表的なのはヴィオラ。(バイオリンと似た弦楽器で、バイオリンよりちょっとおっきめ。)
印刷された、かっちりした楽譜だとこんな感じ。
手書きだと、こんな風に省略して書いたりします。
ハ音記号の読み方
ハ音記号は、第3線(真ん中の線)を、真ん中の「ド」として読みます。
ハ音記号を読む手続きは3ステップ。
1、いったんそのままト音記号読みをする
2、音符の「たま」を1こ上にずらす
1こ上…というのは、五線上でのお話です。
線が突き刺さっている「たま」ならば、(真上の)線のあいだへ。
線のあいだにはさまっている「たま」ならば、(真上の)線に突き刺してあげてください。
3、そこから1オクターブ下げる
完了!
…という手順で、ハ音記号を読んでいきます。
あまり深く考えずに、まず手を1オクターブ下においてから、『1こ上…1こ上…』と思いながら読んでいく感じです。
ハ音記号の「ここが便利!」
エレクトーンなど、鍵盤をやっている人がスコア譜を読むと、ハ音記号を解読するのに手間取ることが多いです。(もちろん慣れれば、少しずつ読むのが早くなります。)
ト音記号かヘ音記号で書いてくれれば読むのが楽なのに!と思ってしまいますよね。
なぜそうしないのかというと、理由があります。
ハ音記号が便利だからです。
ハ音記号のいる場所ってこんな感じ。
ちょうど、ト音記号とヘ音記号の「あいだ」なんです。
ハ音記号を使用するヴィオラの音域も、バイオリンとチェロのあいだくらい。
なんということでしょう!ハ音記号は、ヴィオラの音符を書くのに、おあつらえむきです。
オーケストラの弦楽器
オーケストラにいる弦楽器4種類は、見事に担当する音域がばらけています。
なので、美しい和音を奏でられるという寸法です。
バイオリン→ト音記号
ヴィオラ→ハ音記号
チェロ→ヘ音記号
コントラバス→ヘ音記号だけど実はもう1オクターブ下
こんな風に、上から下まで、キレイに担当箇所が分散されています。
おつかれさまでした
ヤマハに通っている子供たちは、小学生のうちにこのハ音記号の読み方を教わります。
いきなりいつものト音記号やヘ音記号とは違う読み方を強いられるので、苦手意識を持ってしまいがち…。
でも、ハ音記号って便利なもの。
上でもなく、下でもなく、美しい「まんなか」を表現してくれる、イイ奴なんです。
ハ音記号の読み方について、これといって裏技じみたコツはありません。残念ながら、たくさん読んで、慣れていくしかないようです。
スコアリーディングを始めたばかりの方は、はじめのうちは苦戦するかもしれませんが、美しいヴィオラの「まんなかの音」に耳を傾けながら、頑張って読みましょう!