今まで親しみを覚えていた『ドレミ』は、実はイタリア語だということを初めて知ったときは、びっくりしたものです。
今となっては、ありとあらゆる音楽用語がイタリア語だということを知っているので、何の疑問も持ちませんが、幼かった当時は『日本語』と『アルファベットが少し』という世界の見え方でしたから、そこに突然『イタリア語』が出てきたら身構えてしまいます。
ところがイタリア語である『ドレミ』は、身構えるよりずっと前から刷り込まれている言葉なので、特別がんばって覚えるようなものではなかったという人の方が多いのではないでしょうか。
そんな、気がついたら言えるようになっている、イタリア語の『ドレミ』ですが、完全に身構えてしまってから覚えなくてはならない音名があります。
それが『ドイツ語音名』です。
ドイツ語音名
こちらが、そのドイツ語音名です。
英語音名と表記は一緒ですが、全く別物として覚えないと、『A』と『E』などが混同してしまいます。
その反面、『F』は読み方が同じですね。
ドイツ語音名との出会い
自身の体験では、小学校3年生頃のレッスンで突然『ドイツ語音名を覚えましょう』と言われました。
『なぜドレミではいけないのか。』
『なぜイタリア語ときて次はドイツ語なのか。』
と、様々な疑問が渦巻いたところで、レッスンでは問答無用で暗記をしいられます。
小学3年生の人生に突如として現れたドイツ語。
なかなか身につくまでには時間がかかりました。
音名の風潮
ポピュラー音楽の世界では英語音名。
クラシック音楽の世界ではドイツ語音名。
というような風潮があります。
おそらく発祥の国が大きく関係しているのではないかと思われます。
聞いた話によると、クラシックよりの音楽家の間では、業界用語のようにこのドイツ語音名を使って、報酬の話をする人もいるみたいです。
例:『G(ゲー)』=5万円(もしかしたら5千円)
ドイツ語音名の便利なところ
そんな覚えるのに苦労するドイツ語音名ですが、もちろん長所があります。
それは、『シャープ・フラットも1単語で言えてしまう』ことです。
英語ではもちろん、『C♯(シーシャープ)』、『B♭(ビーフラット)』のように、二つの要素を単語にして発音します。
日本語だと(調の名称からわかるように)シャープなら嬰、フラットなら変をつけます。なのでこれも二つの要素から成り立っていますね。
その点、ドイツ語になると、シャープ、フラットがついた音名にも、それぞれの呼び方が固有にあります。
ドイツ語音名での派生音名(シャープ・フラット)
これがシャープ・フラットがついたときの音名です。よく使うものには矢印を付けました。
これなら、シャープ・フラットのつく音名でも、短い発音で呼ぶことができるので、便利ですね。
しかし、これは当時覚えるのが本当に大変でした。
大人になると、アルファベットのなんとなくの読み方が身についていたりしませんか?
『-tion』という語尾なら、自然と『-ション』と読めてしまいます。逆もまたしかりで、『-ダー』という語尾なら、何となく『-der』などとつづりますよね。
そういう感覚がまったく備わっていなかった時期でしたから、このドイツ語音名の特にシャープ・フラットがついたバージョンは、覚えるのにとても苦労しました。
【ひとこと】
覚えるのに苦労したというよりかは、当時リアルタイムではまったく覚えられていなかったように記憶しています。
ドイツ語音名がほんとうに身について、すっと言葉として出てくるようになったのは、高校〜大学生になってからぐらいなものです。
小学生のうちにこれを覚えるのは結構な労力を必要とします。
ともかく、このドイツ語音名が人生で初めて明確に出会ったドイツ語です。