エレクトーン/電子オルガン【即できる!和音の押さえ方のコツ】左手と足鍵盤の位置

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実は、ピアノと電子オルガンとで和音の押さえ方に対する意識が、少し違います。

なぜなら、電子オルガンには『ベース(足鍵盤)』があるからです。

この和音の押さえ方。

ちょっとした意識の違いで、格段によりキレイな響きを作り出すことができます。

せっかく楽器をやっているのだから、美しい和音の響きを楽しみたいですよね。

そのいたって簡単なコツをひとつ、ご紹介します。

!ここでは、三和音(鳴らす音が3つ)の範囲内でお話します。

!『コード』も『和音』も同じ意味です。雰囲気で両方の言い方を使っています。

  あまりにも決定的なコツ!

それは…

『真ん中のドを左手のセンターにもってくる』

というもの。

この『センターにもってくる』というのは、左手で押さえる3音のうちの真ん中、つまり(上から数えても下から数えても)2音目に真ん中のドがくるように意識しましょう、という意味です。

C(ドミソ)の場合

F(ファラド)の場合

D(レファ♯ラ)の場合

和音の中に、ドが含まれていない場合でも、同じく2音目がドの近所にくるよう意識します。

F♯(ファ♯ラ♯ド♯)の場合

♯、♭が増えた調でも同じです。

Dm(レファラ)の場合

もちろん短調も同じ。

  和音(コード)の押さえ方って?

そもそも和音の押さえ方とは、どういうことなのか。

実は、和音というものは、『そのメンツさえ揃っていれば、どんな場所を弾いてもいい』ものなのです。

例えばハ長調の I 度である『ドミソ』。これはコードネームで呼ぶところの『 C 』です。

この C のコードの一般的な押さえ方といえば、これですね。

キレイなお団子

これは和声の考え方でいえば、『集合』という状態です。

人間の手の5本指で一番押さえやすい音符の位置です。それに、楽器で鳴らしても、人の声を重ねて歌っても、とても美しく響きます。

この C を、例えばこんなふうに離して押さえてみましょう。

ちょっときびしい

これを和声では『乖離(かいり)』と呼びます。

鍵盤楽器においては、なるべくこのかい離の状態になるよう意識して曲を演奏すると、低音から高音までバランスよく音が分散して鳴るので、好ましいとされています。

(実際にメロディーとコードとで演奏する際には、うまいこと両手にコードを割り当てながら弾きます。右手はメロディー、左手は和音…ではなく、柔軟に、状況にあわせて右手が和音の一部を担当したりする、ということになります。)

では、さらに配置をバラバラにしてみましょう。

片手では手が届かない

こんなとびとびになってしまった和音でも、C だと定義することができます。

さらには順番も入れ替えて…

下からミ→ソ→ド

と、このように誰が上でも誰が下でも、C は C のままです。

意外とコードって柔軟な世界なんです。

なので、言ってしまえば選択肢が無数に存在しているのが、この『和音の押さえ方』というやつです。

どんな順番でもいい、どんな配置でもいい、という自由のなかで、どんな和音の押さえ方を選ぶのか。こういったところで、和音の響きが美しくなるのかどうかが決まってきます。

 『ベース』で役割が決まる

さきほど、『誰が上になっても下になっても C は C のまま』と述べました。

確かに順番が変わっても、コード自体は変わらないのですが…

どの音が一番下なのかというところで、和音の役割が少し変わってきます。

電子オルガンで、この一番下の音を弾くのは、もちろん足鍵盤です。

なので、電子オルガンでは、この左足がどこを押さえているかが非常に重要になってきます。

  役割が変わる

和音を構成する3音を、このように呼び分けます。

その調の主音(ハ長調ならド、一番めの基準の音。)からナンバリングしていくイメージです。

そして、このうち決定的に役割が変わってしまうのが、第1音と第5音です。

【第1音をベースで弾くと → I 度の役割】

Ⅰ 度の役割は、ホームポジションであったり、正位置を示す、感じさせるというものです。

Ⅰ 度の和音から曲がスタートすれば、『しっかり始まった』感じがします。(しっかり始まるの反対は、ふわっと始まる感じ。)

Ⅰ 度の和音で曲が終われば、『しっかり終わった』感じがします。

曲の流れの途中、ふわっとした和音や、ぐっと緊張するような和音が出てきたあと、しっかり安心させてあげる役割を担っているのが、この Ⅰ 度の和音です。

【第5音をベースで弾くと → Ⅴ度的な役割】

なっている音はまったく同じなのに、役割がガラッと変わります。

Ⅴ度というのは、先ほどの Ⅰ 度と反して宙ぶらりんな感じや、ちょっとした緊張感を生み出す役割を持っています。

重要なのはこのⅤ度『的な』というところです。

ベースのポジションが変わっても、音符のメンツはあくまでハ長調の中のC、つまり Ⅰ 度の和音なことに違いはありません。

ちょっと役割がⅤ度に寄る…くらいに思っていていいかもしれません。

!補足

なぜそうなのかというと、ハ長調のⅤ度の和音はソシレ、Gのコードですが、このGのコードを使う場所に、C/G(ベースがソ)を代入できるわけではないからです。

具体的には、Gの手前にこのC/Gをいったん噛ませることによって、よりⅤ度をV度らしく聞こえさせるような使い方をします。

  ちなみに

和声の考えでは、

第3音をベースにして弾くときには、左手や右手(和音やメロディー)ではなるべく第3音を重複して弾かないようにすると、よりきれいな和音になるとされています。

私は厳密にそうする必要はないと思っていますが、ふと思い出したときに『そういえば』と和音を整えることができるので、頭の片隅にあるとちょっぴりお得です。

  おつかれさまでした

今回は、電子オルガン向けのコードのお話でした。

長くなってしまいましたが、コツはたった一つです。

真ん中のドを左手におさめるように、少しだけ心がけてみてください。

ピアノのような一段の鍵盤だと、左手でのみコードを押さえるので、やっぱり足鍵盤って特殊です。

でもこの足鍵盤と左手でコードを分けて考えるようになるというのは、同時にコードのベースラインについてより敏感になる機会に恵まれているということ。

必然的に、電子オルガンだと同じ Ⅰ 度の和音でも調によって押さえ方を工夫しなければならないので、手が慣れるまではちょっと大変ですよね。

でも足鍵盤と左手で弾くコードって素敵(自分の勉強にもなるし、響もきれい)なので、ぜひチャレンジしてみてください。