この曲はこんなイメージ…【発想記号(発想標語)】43種をイメージ画像付きでじっくり紹介!part7

Part6の続きです。

今回のpart7では『 S 』〜『 T 』の7種類『 scherzando, semplice, con sentimento, serioso, sostenuto, spirituoso/con spirito, tranquillo 』をイメージ画像付きでご紹介します。

〜もくじ〜

part1『 A 』6種類 

 affettuoso, agitato, amabile, animato/con anima, appassionato, arioso

part2『 B 』〜『 C 』5種類

 brillante, con brio, cantabile, capriccioso, comodo(commodo)

part3『 D 』〜『 E 』6種類

 dolce, dolente, elegante, elegiaco/con energia, espressivo/con espressione

part4『 F 』〜『 G 』6種類

 feroce, con fuoco, giocoso, grandioso, grave, grazioso/con grazia

part5『 L 』〜『 M 』6種類

 lamentabile/lamentoso, leggiero, maestoso, marciale(marziale), misterioso, con moto

part6『 N 』〜『 R 』7種類

 nobilmente, passionato, pastorale, pesante, piacevole, risoluto, rusticana

part7『 S 』〜『 T 』7種類 ← いまここ

 scherzando, semplice, con sentimento, serioso, sostenuto, spirituoso/con spirito, tranquillo

part8 まとめ

ではpart7『 S 』〜『 T 』編スタートです!

scherzando(スケルツァンド)『たわむれるように』

直訳すると、『冗談』。遊び心をもって演奏しましょう、とのことです。

子犬も子猫も、動物の子供はみな遊びの中で生きる術を学んでいきます。

力の匙加減や、走り方の練習。そしてコミニュケーション。

きっと人間も、同じでしょう。

『遊び』だと思えることから得られる経験値は、そうでないことから得られるものより何倍も効率が良いものです。(個人の感想ですが…)

遊びで鍵盤とたわむれる時間は、どんな環境下に置かれていても、ぜひ大切にしていきたいですね。

semplice(センプリーチェ)『単純に・素朴に』

手作りのもの=素朴であたたかみがある

というイメージ、なんとなくありませんか?

手作りと一口に言えども、ピンからキリまでありますが、いわゆるDIYの領域では、「素朴なあたたかみ」を感じられるのではないでしょうか。

これはあくまで semplice が音楽用語である、という前提の話ですが、工業製品のようなカッチリ感のある「単純さ」ではなくて、自分で手作りしたがゆえの「単純さ・素朴さ」を表現してほしいようなニュアンスに近いと思うのです。

あるいは『飾らない』というべきでしょうか。

上手に見せよう、すごい演奏かのように見せようなどとせず、ありのままの自分を表現する。

そんな表現ができたら、きっととても素敵です。

con sentimento(コンセンティメント)『感情をこめて』

『内に秘める』とはよく言ったもので、外側より内側に重きを置いた感情のエネルギーというものは、それはそれは物凄い質量を持つものです。

感情を、『込めて』

この『込める』という部分が鍵です。

言葉で喋ったり、書きつづったりするのではなく、その指先から生み出す音楽に感情を『込め』ます。

ディズニー映画「シンデレラ」の冒頭でも、彼女が言っていました。

『願いごとは、人にしゃべると叶わなくなっちゃうのよ。だから内緒。』(細部はうろ覚えですがこんな感じ。)

幸いなことに、音楽にはどんな感情を込めてもいいのです。

言葉ではアウトプットできないほどの質量を持った感情エネルギーは、音楽に乗せて表現しましょう。それを繰り返していくと、ちょっと体が軽くなりますよ!

serioso(セリオーゾ)『厳しゅくに』

イメージ画像はちょっと洋風のものを選んでしまいましたが、日本には『厳しゅく』がとても根付いていると思うことばかりです。

例えば卒業式を思い出してみてください。

壇上に誰かがのぼるたびに、国旗に一礼。

それから来賓席へ一礼。

喋る前にも一礼。

移動や方向転換でさえも、マインクラフトのレールに乗っているかのような、直線的で直角的な動き。

そして卒業生、在校生の怒涛の起立&礼ラッシュ。

これぞまさにジャパニーズ『厳しゅく』!

sostenuto(ソステヌート)『音を充分に保って』

ピアノもエレクトーンも、いかにテヌートやレガートの表現がうまくできているかという点において、良い演奏かどうかがハッキリします。

特に、エレクトーンでクラシック曲を演奏する際に避けられない「ストリングス」の音色での表現。

鍵盤のタッチの抜き差しがとても重要です。「入り」と「抜き」に最大限神経を張りめぐらせ、自然で美しいフレーズになるよう心がけます。

そういった、すべてのフレーズに『丁寧さ』があり、注意が『行き届いた』状態での演奏表現こそ、この sostenuto が求めているものではないでしょうか。

spirituoso/con spirito(スピリトゥオーソ/コンスピリット)『生気をもって・元気に』

野生であるか否かに関わらず、馬という生き物が駆ける姿には非常に強い生命力を感じます。

まさに生気のかたまり。

四つ足で、胴体が大きいからでしょうか?

「馬は神様が創り出した、もっとも美しい生き物である」なんていう説もあるほどです。

馬の走る姿は随一だと、個人的には思っている側面もありますが、生きとし生けるもの、みな走る姿には生命力があります。

tranquillo(トランクイロ)『静かに・穏やかに』

静かに、穏やかに。

そんな環境、そして時間があれば最高ですね。

子供の頃は、『穏やかである』ということの尊さ、貴重さ、大事さがめっぽうわかりませんでした。

なぜ静かでいなくてはならないのか。

なぜ調和を保たなくてはならないのか。

大人になるにつれ、『穏やかである』ということに日々いかに助けられているかが段々身に染みてきます。

tranquillo をイメージするなら、思い浮かぶ曲といえばエリック・サティの「ジムノペティ」です。

あのゆったりとした、まどろむような空気感。

他の曲にはない、オンリーワンの色彩を持っています。

それと、次に思い浮かぶ曲としては、シューマンの「トロイメライ」でしょうか。

シューマンさんのメロディーはとんでもない美しさがあるので、毎度のことながら度肝を抜かれます。

こういった曲独特の色彩感や、メロディーの美しさをより楽しめるようになるのも、(私の場合はですが)大人になってからのことです。

年を取るのも悪いことばかりではありません。

【では次回はまとめの最終回です! → Part8

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