発想記号(発想標語)とは、『こんな気持ちで弾いてください!』という、楽譜を書いた人からのめちゃくちゃピンポイントなメッセージのことです。
主に楽譜の最初や、場面転換が行われた際に書かれています。
「〇〇のように」や「〇〇的に」
というものが多く、イタリア語で表記されます。(イタリア語なので、そこはかとなくディズニーシーっぽい感じがします。)
これがまた種類豊富。発想記号はたくさんあって、楽典に記載されているものだけでも43種類あります。
今回は、この43種類をしっかりイメージして頂けるよう、独断と偏見でイメージ画像を添えながらご紹介します!
かなり長くなるので、7つのパートに分け、最後のパートで総括しようと思います。
part1〜part7の中から、なにかしらのお気に入りを見つけていただければ幸いです。
〜もくじ〜
part1『 A 』6種類 ← いまここ
affettuoso, agitato, amabile, animato/con anima, appassionato, arioso
part2『 B 』〜『 C 』5種類
brillante, con brio, cantabile, capriccioso, comodo(commodo)
part3『 D 』〜『 E 』6種類
dolce, dolente, elegante, elegiaco/con energia, espressivo/con espressione
part4『 F 』〜『 G 』6種類
feroce, con fuoco, giocoso, grandioso, grave, grazioso/con grazia
part5『 L 』〜『 M 』6種類
lamentabile/lamentoso, leggiero, maestoso, marciale(marziale), misterioso, con moto
part6『 N 』〜『 R 』7種類
nobilmente, passionato, pastorale, pesante, piacevole, risoluto, rusticana
part7『 S 』〜『 T 』7種類
scherzando, semplice, con sentimento, serioso, sostenuto, spirituoso/con spirito, tranquillo
part8 まとめ
ではpart1『 A 』編スタートです!
affettuoso(アフェットゥオーソ)『愛情をこめて』
日本人にはちょっと発音がしにくいせいか、パッと聞いただけではなかなか覚えにくいです。
もっと頻繁に耳にするイタリア語で amore(アモーレ)という単語があって、affetto も amore も、どちらも愛を表す単語のようです。
その解釈の違いは人それぞれのようなので、この場ではあまり限定的にならないようにしておきます。
agitato(アジタート)『せきこんで』
この標語以外にも、音楽用語で「せきこんで」というものを他でも見かけます。
例:stringendo(ストリンジェンド)『せきこんで』←この stringendo は、発想標語ではなく速度記号に分類されます。『だんだんはやく』というニュアンスがあります。
…風邪かな?
というわけではなさそうです。
どんどん回転率上げて!とか、もっと激しく!とか、そういう場面で「せきこんで」と言われがちです。
amabile(アマービレ)『愛らしく』
さすがイタリア!3つ目にしてもう「愛」関連の標語がかぶっています。
アマービレは辞書で引いてみると、「愛くるしくてたまらない!」というニュアンスみたいです。
2020年、一世を風靡した「アマビエ」とちょっと語感が似ていますが、アマビエはアマービレよりかはミステリオーソ(このあとpart5に出てきます)が似合うと思います。
お魚系がお好きな方なら、アマビエも甘エビもアマービレかも。
animato / con anima(アニマート/コンアニマ)『活気をもって・生き生きと』
池袋や秋葉原に行きたくなるような名前ですね!
それこそ活気があって、みんな目が生き生きしています。
荷物が多くても、素敵なフリフリのドレスでも、その足取りは軽やかでウキウキしていて、通りを眺めているだけで元気をもらえます。
(この後にも con 〇〇 という名前がいくつも出てきますが、これは英語で言うところの「with」に当たります。)
animato をgoogle翻訳すると、『魂』と出てきました…。
そして con anima だとアニメーション化する、だそうです。
これはやっぱり池袋か秋葉原に行くしかありません。
appassionato(アパッショナート)『熱情的に』
これは単語の中に passion とそのまま入っているのでイメージしやすいですね!
どんな熱情か、誰へ、何へ向けた想いなのか、表現は十人十色。
ですが、小さい子供に向かって「熱情的に演奏して!」…などと言っても少々無理があるのでは?と思ってしまいます。他の単語に置き換えて伝えてあげた方が良さそうですね。
やはり「燃え上がる火のように!」というようなところに落ち着くのでしょうか。それにしても実物で実際に見せてあげられる「火」といえば、コンロの火かチャッカマン程度…。
arioso(アリオーソ)『歌うように』
これはさすがに「アリア」から来ているのかな?と思いきや、google翻訳にかけてみると『風通しのよい』と出ました。
調べてみると、イタリア語の aria には、『音楽での節、旋律』という意味と、『空気、態度』という意味があるそうです。
イタリアでは、音楽が空気で、空気が音楽なのかも知れません。
恐るべし!
【次回に続きます!→part2】
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