ト短調とは
ト短調とは、「ソ」からスタートする『ソ/ラ/シ♭/ド/レ/ミ♭(♮)/ファ(#)』の7音の中で、メロディー・コード・ベースが行ったり来たりすることを基本ルールとする調。
ト短調の調号はフラットが2つ。
『シ♭』と『ミ♭』に付きます。
(短調の調号は、音階<↓くだり↓>時に、どこが黒鍵になるかを参照します。)
・短音階で、「ソ」を主音とした場合の調。
・英語だと G Minor(ジーマイナー)
・ドイツ語だと G moll(ゲーモール)
ト短調の出現率
ト短調の出現率は…
星2つ!くらい。
歌モノなんかだとあんまり見かけないイメージ。
近親調 ト短調のお仲間一覧
同主調:ト長調 主音=出発する音が同じ「ソ」
平行調:変ロ長調 調号が同じく♭2つの反対の調=長調
属調:ニ短調 完全5度上の調
下属調:ハ短調 完全4度上の調
ト短調のコード
ピアノとエレクトーンの押さえ方はあくまで一例です。参考程度でお願いします。
エレクトーンの『P.K』はペダルキーボード:足鍵盤、『L.K』はロワーキーボード:下鍵盤(左手)の略です。
<基本>
Ⅰ(いちど):『Gm』
ピアノ:ソ/シ♭/レ エレクトーン:P.Kソ L.Kシ♭/レ/ソ
Ⅴ₇(ごどせぶん):『D₇』
ピアノ:ファ#/ド/レ エレクトーン:P.Kレ L.Kド/レ/ファ#
Ⅳ(よど)『Cm』
ピアノ:ソ/ド/ミ♭ エレクトーン:P.Kド L.Kド/ミ♭/ソ
<よく使う>
Ⅴ(ごど)『D』
ピアノ:レ/ファ#/ラ エレクトーン:P.Kレ L.Kラ/レ/ファ#
平行調の『B♭』
ピアノ:シ♭/レ/ファ エレクトーン:P.Kシ♭ L.Kシ♭/レ/ファ
Ⅱ(にど)『Am⁻⁵』
ピアノ:ラ/ド/ミ♭ エレクトーン:P.Kラ L.Kラ/ド/ミ♭
<ドッペルドミナント>
(ごどごど)→ Ⅴ₇(ごどせぶん)→ Ⅰ(いちど)『A→D₇→Gm』
ピアノ:ラ/ド#/ミ → ファ#/ド/レ → ソ/シ♭/レ
エレクトーン:P.Kラ L.Kラ/ド#/ミ→P.Kレ L.Kド/レ/ファ# →P.Kソ L.Kシ♭/レ/ソ
<他の調から借りてきて使う進行>
₇(よどごどせぶん)→ Ⅳ(よど)『G₇→Cm』
ピアノ:シ/ファ/ソ →ド/ミ♭/ソ
エレクトーン:P.Kソ L.Kシ/ファ/ソ →P.Kド L.Kド/ミ♭/ソ
平行調への転調『F₇→B♭』
ピアノ:ラ/ミ/♭/ファ →シ♭/レ/ファ
エレクトーン:P.Kファ L.Kラ/ミ♭/ファ →P.Kシ♭ L.Kシ♭/レ/ファ
ト短調についてコメント
素朴な美しさがあるト短調。そんなト短調で作曲すれば、自然とメロディーにもその「美しさ」が現れる…かもしれません。
♭2つだけの調ということで、ヤマハのグレード試験でもはやいうちから出題される調です。
(グレード試験とは、ヤマハがやっているエレクトーンやピアノの『腕試し』試験のことです。普通に練習した曲を演奏するのはもちろんのこと、その日初めて見る楽譜を演奏したり、その場で曲を考えたりする課題が与えられます。)
初見演奏や即興演奏の課題で、ト短調の課題があたって、「あたり」か「はずれ」どちらかと言えば、(何級かにもよりますが)「あたり」の部類でしょう。
一番簡単なハ長調が出題されれば『一番あたり!運がいい!』と思いがちですが、そういう訳では無いのです。
ハ長調は、その調の簡単さゆえ、問題自体のイジワルさでバランスを取るようになっています。なんだか把握しづらいメロディーだったり、変なとっつきにくいモチーフだったり…。
一方、ト短調は♭2つの調なので、そこまでイジワル問題になっている可能性は、限りなく低いです。そして調そのもの難しさも、#・♭3つの調などと比べると、とてもやりやすい部類です。
グレード試験の初見演奏や、即興演奏で、ト短調が出題されたら、『ラッキー』です!
のびのび試験にのぞんでしまいましょう。