part2の続きです。
今回のpart3では『 D 』〜『 E 』の6種類『dolce, dolente, elegante, elegiaco/con energia, espressivo/con espressione』をイメージ画像付きでご紹介します。
〜もくじ〜
part1『 A 』6種類
affettuoso, agitato, amabile, animato/con anima, appassionato, arioso
part2『 B 』〜『 C 』5種類
brillante, con brio, cantabile, capriccioso, comodo(commodo)
part3『 D 』〜『 E 』6種類 ← いまここ
dolce, dolente, elegante, elegiaco/con energia, espressivo/con espressione
part4『 F 』〜『 G 』6種類
feroce, con fuoco, giocoso, grandioso, grave, grazioso/con grazia
part5『 L 』〜『 M 』6種類
lamentabile/lamentoso, leggiero, maestoso, marciale(marziale), misterioso, con moto
part6『 N 』〜『 R 』7種類
nobilmente, passionato, pastorale, pesante, piacevole, risoluto, rusticana
part7『 S 』〜『 T 』7種類
scherzando, semplice, con sentimento, serioso, sostenuto, spirituoso/con spirito, tranquillo
part8 まとめ
ではpart3『 D 』〜『 E 』編スタートです!
dolce(ドルチェ)『柔らかに・愛らしく』
うーん美味しそう!
ちょっと小洒落た喫茶店などで、「本日のドルチェ」ってよく聞きますよね。
『甘い』というのが単語としてメインの意味ですが、そこから解釈を発展させて、『柔らかに』であったり、『愛らしく』という音楽的なキャラクター表現になります。
甘くて美味しいものは、確かに愛おしくてたまりません。
それとも「食べちゃいたいほど愛らしい!」ということなんでしょうか。
dolente(ドレンテ)『悲しげに』
悲しげに。この『悲しさ』という表現は、音楽の中でも1、2を争うもっとも重要な感情表現ではないでしょうか。
ずいぶん前に誰かが言っていました。
世の中には恋愛の歌がたくさんある。そのほとんどが失恋の歌である、と。
恋が叶った!うれしい!という歌も多く見受けられるかとは思いますが、それ以上に「あなたがいなくなってさみしい、もうだめだ」とか、未練たっぷりの曲って多いですよね。
恋愛に限らず、人生には途方もない悲しさが山のようにあります。
その悲しさを、音としてアウトプットすることで、徐々に気持ちが落ち着いて穏やかになることがあります。
悲しいという感情を音楽で表現することで、自分も、それを聴いた人も、癒されていくものです。
elegante(エレガンテ)『優雅に』
この画像の白鳥たちは実に美しく、見惚れてしまいます。まさに優雅そのもの。優雅の権化のような生き物だなあとつくづく思います。
ですが、見えていない水の中では、めちゃくちゃ足を頑張って動かし続けて泳いでいるのは有名なお話しです。
優雅さの裏には、必ず見えない(見せていない)努力があるんですね。
有名なクラシック曲で、サン=サーンス作曲の「動物の謝肉祭」という組曲があります。
その中に『白鳥』という曲が登場するのですが、あのとびきり美しいメロディーは、瀕死状態の白鳥を表現しているそうですよ。
瀕死の白鳥って…と当時衝撃を受けたことをよく覚えています。
elegiaco(エレジアーコ)『悲しみを訴えるように』
先ほどの dolente の進化系のようですね。
悲しみを『訴えるように』
めちゃくちゃつらそうです。
悲しいなあ…という感情表現にとどまらず、それを聴いている人に訴えかけるようなアプローチが必要になってきます。
内側に向けた悲しみのエネルギーと、併せて外側に向いている悲しみのエネルギーがあるとよいのかもしれません。
energico / con energia(エネルジコ / コンエネルジア)『精力的に・勢いをつけて』
動物の足の速さといったら、それはもう人間などでは到底かないません。
それは野生動物に限らず、ペットの犬猫にも言えることです。
昔、祖父祖母の家で飼われていた犬を散歩に連れて行ったことがあるのですが、それはもう引っ張る力が強いのなんの。走り出したら止まりません。
体は小さいのに、ものすごい力が強くてびっくりした覚えがあります。
単純な速さ・スピードでいったら車やバイクの方が速いのですが、こういった生き物の生命力あふれる速さこそ、energico に近いものがあるのではないでしょうか。
espressivo / con espressione(エスプレッシーボ / コンエスプレッシオーネ)『表情豊かに』
表情が豊かな演奏は、すなわち優れた演奏と言うことができます。
逆に、表情に乏しい演奏は、あまり音楽的ではありません。聴いていて飽きてしまいます。
espressivo は、もはや音楽を演奏する上での最低条件・絶対不可欠なことであると、私は思っています。
それは人間の演奏だけにとどまらず、機械・プログラムでの演奏にも同じことが言えます。
私はボーカロイド直撃世代なので、初音ミクをはじめとするボーカロイド、合成音声の文化がとても好きです。
その界隈の楽曲でも、いわゆる良い曲というのは、ボーカロイドが表情豊かなんです。
人間に近い!人間みたい!を良し悪しの基準とする方もいるようですが、彼らには彼らなりの表情があって、そこに魂が吹き込まれた楽曲は、聴いていてとても感動します。
espressivo は、もはや常日頃から心がけたほうがよい発想記号ですね!
【次回に続きます!→part4】
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